川喜田雅則 総合研究大学院大学・統計科学専攻)

 

まず、最初にコンペティションを企画された皆様、審査に参加された方々、そして共に参加した方々に敬意と感謝を表したいと思います。自分はこのようなセッションの存在を強く歓迎します。その理由を今回の体験において感じたことを通して以下に述べます。それが今後参加されることを検討中の方の参考になれば幸いです。

 自分はコンペティションにも統計学会にも初参加ですが、発表前はやはり参加する以上結果が評価され賞に結びついてこそ意味があると自分に言い聞かせました。それにより研究発表へのモチベーションを強めるためです。

 そして当日の発表を迎えたとき、まず驚き喜んだのは想像以上の聴衆の人数でした。自分の研究発表を他の多くの人に見てもらえるのは副次的ではありますが大切な利点の一つでしょう。ましてや聴衆自身、審査員をつとめることで嫌が上にも比較的集中して聞いていただけます。これは願ってもない機会でしょう。その結果必然的に産まれる最大の収穫は発表後いただいた有益な質問に加え、その場で得られた会場の人からの研究発表への評価です。その情報から自分の研究発表が目指したレベルに到達しているのか否か、自分が目指したレベル自体が十分だったか否かなどを概察できました。結果的に今回の発表は自分が行った努力に対して過不足のない結果に近いようだと判断できました。この時点でコンペティションへの参加は十二分に報われたと感じました。その後受賞をしたことは無論大変嬉しく思いますが、受賞できなかったとしても上記の理由により同じく満足したことを確信しています。

 結果得られた私的見解としては、コンペティションセッションは世の中の多くの物事と同じく、結果の解釈の仕方を誤らず可能な限り有効活用する意志があれば非常に有益な場だといって良いかと思います。最後にこのコンペティションが形骸化することなく存続することを強く願って締めくくりたいと思います。